概要
内視鏡室のご案内
内視鏡室では、消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ・大腸カメラ)を使って、食道・胃・十二指腸や大腸に病気がないかの検査や内視鏡を用いた治療(ポリープ切除術等)を行っています。
日本消化器内視鏡学会指導医・専門医・内視鏡技師が複数在籍しており、安全面に配慮しながら、通常の検査から専門性の高い治療まで幅広く行っています。
検査は予約制で、当院では月~金の午前に胃カメラ、午後に大腸カメラ、・第3土曜の午前に胃カメラを行っています。
鎮静剤を使った “眠ったまま” する検査や女性医師による検査も行っています。
当院のこだわり① 鎮静剤や細いスコープを使用した“楽な”検査
胃がんや大腸がんなど消化管のがんの早期発見のためには内視鏡検査が必要です。ただ、検査は大なり小なり苦痛を伴うため、受けることに二の足を踏んでおられる方も多くおられると思います。当院では、そういった方に少しでも“楽に”検査を受けていただけるように、希望に応じて鎮静剤や細いスコープ(胃カメラのみ)を使用して検査を行っていますので、検査予約時にお気軽にお申し出下さい。
当院のこだわり② 拡大内視鏡による正確な診断
近年の内視鏡機器の進化により、検査で得られる画質も格段に向上しました。例えば以前は内視鏡で見えている病変が「がん」かどうかの診断には組織の検査(生検)が必要でしたが、最近では特殊な光を当てながら病変を拡大して観察することで、見た目だけで「がん」の診断が可能です。特殊光による拡大観察を用いた内視鏡診断には、拡大内視鏡とその知識が必要ですが、当院では経験豊富な医師により最新の機器で精密検査を受けていただくことができます。
上の写真は、特殊光での胃の拡大観察で、粘膜の模様を詳細に観察でき正確な診断につながります。
写真左:通常の観察、黒三角内が病変。 写真中央:特殊光を用いた観察。 写真右:特殊光を用いた拡大観察、模様の違いで“がん”の診断が可能
当院のこだわり③ 診断から治療、フォローを一連の流れで
消化管腫瘍(早期がんなど)の内視鏡治療は身体に負担が少ない治療ですが、適応を誤ると取り残しや再発をきたすこともあります。治療適応の判断も含めた事前の診断が最も大切で、これには専門的な知識が必要です。一方で、内視鏡検査は広く一般に行われており、もし治療に必要な病気が見つかった際には専門の施設に紹介となるケースが多いです。当院では、病気が見つかった際、内視鏡治療を専門に行ってきた医師が、検査に引き続いて、患者様の体力や生活背景等も十分にお伺いした上で治療適応の判断、治療、フォローを一連の流れで行います。
業務内容
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
絶食の上で口もしくは鼻から内視鏡を挿入し、主に食道・胃・十二指腸の観察を行います。健診や症状の原因検索目的にて検査を行います。できるだけ楽に検査を受けていただけるように、希望の方には鎮静剤や細いスコープを用いて検査を行っています。当院では最新のシステムを用いることで、細いスコープでも通常の検査と遜色のない画質で検査をすることができます。
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
検査前日および当日に下剤を服用していただき、腸が空になった状態で内視鏡を肛門から挿入し、主に大腸の観察を行います。健診(便潜血検査)でひっかかった方の精密検査や症状の原因検索目的にて検査を行います。できるだけ楽に検査を受けていただけるように、ご希望の方には鎮静剤を使用して検査を行っています。女性医師による検査も行なっております。また、検査中にポリープが見つかった場合には、同時に外来でのポリープ切除も行なっています※。
※ポリープの大きさやお持ちの病気によっては検査当日に切除ができない場合があります。
内視鏡治療
当院では主に以下の内視鏡治療を行っています※。
・内視鏡的粘膜切除術(CSP/EMR) 写真左
・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 写真中央
・内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP) 写真右
※病状により専門施設への紹介を行うことがあります。
お知らせ
一緒に消化器内視鏡検査の勉強しませんか?
当院では一緒に内視鏡検査・治療を勉強しながら働いていただける方を募集しています。拡大観察を含めた内視鏡診断学を学びたいという医師の方、自分が思うような内視鏡看護をしたいと考えている看護師の方などの思いに柔軟に応えられる環境があると思います。ご興味がありましたら、お気軽にお問合せ下さい。
<論文>
Majima A, Handa O, Naito Y, Dohi O, Okayama T, Yoshida N, Kamada K, Katada K, Uchiyama K, Ishikawa T, Takagi T, Konishi H, Yagi N, Itoh Y.
Early-Stage Gastric Cancer Can Be Found in Improved Atrophic Mucosa over Time from Successful Helicobacter pylori Eradication.
Digestion. 2017;95(3):194-200.
Majima A, Dohi O, Takayama S, Hirose R, Inoue K, Yoshida N, Kamada K, Uchiyama K, Ishikawa T, Takagi T, Handa O, Konishi H, Naito Y, Itoh Y.
Linked color imaging identifies important risk factors associated with gastric cancer after successful Helicobacter pylori eradication.
Gastrointest Endosc. 2019 Nov;90(5):763-769.
Ishida T, Dohi O, Yamada S, Yasuda T, Yamada N, Tomie A, Tsuji T, Horii Y, Majima A, Horie R, Fukui A, Zen K, Tomatsuri N, Yagi N, Naito Y, Itoh Y.
Clinical Outcomes of Vonoprazan-Treated Patients after Endoscopic Submucosal Dissection for Gastric Neoplasms: A Prospective Multicenter Observation Study.
Digestion. 2020 Jun 25:1-11.
Iwai N, Dohi O, Yamada S, Harusato A, Horie R, Yasuda T, Yamada N, Horii Y, Majima A, Zen K, Kimura H, Yagi N, Naito Y, Itoh Y.
Prognostic risk factors associated with esophageal squamous cell carcinoma patients undergoing endoscopic submucosal dissection: a multi-center cohort study.
Surg Endosc. 2021 Apr 15.
Majima A, Kishimoto M, Dohi O, Fujita Y, Morinaga Y, Yoshimura R, Ishida T, Kamada K, Konishi H, Naito Y, Itoh Y, Konishi E.
Complete one-to-one correspondence between magnifying endoscopic and histopathologic images: the KOTO method II.
Gastric Cancer. 2021 Aug 11.
<学会発表> 直近5年
Majima A, Dohi O, Naito Y, et al.
Linked color imaging identifies a novel risk factor of early gastric cancer development after successful helicobacter pylori eradication: role of map-like redness and pathy redness.
Digestive Disease Week. June 3-5, 2018. Washington, DC
Majima A, Akamatsu N, et al.
The impact of Helicobacter pylori eradication on the nutritional health in hemodialysis patients.
26rd United European Gastroenterology Week. October 20-24, 2018. Vienna, Austria
間嶋淳,赤松尚明他.
ヘリコバクターピロリ除菌療法は低栄養リスクのある透析患者の栄養状態を長期に渡り改善させる.
JDDW 2018. 2018年11月.
間嶋淳,赤松尚明他.
当院におけるH.pylori陰性胃MALTリンパ腫診療の検討.
日本消化器病学会近畿支部第110回例会. 2019年3月.
間嶋淳,土肥統,内藤裕二.
除菌後胃粘膜における胃癌リスク評価のためのLCI観察の有用性.
第97回日本消化器内視鏡学会総会. 2019年5月.
間嶋淳,赤松尚明他.
当院における限局期胃MALTリンパ腫に対する放射線治療の現状.
第25回日本ヘリコバクター学会学術集会. 2019年6月.